Rio de Janeiro

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2016年4月8日金曜日

戦艦大和沈没の日に

昨日4月7日は戦艦大和が沈没した日だった。
BS日テレで戦艦大和特集をやっていた。

3年前の夏に、「太平洋戦争って具体的にはどんな戦争だったんだ?」とふと思って、
YouTubeで動画を探し始めたのは、戦後教育は自虐史観だ、
という言説がまことしやかに言われていたからだということを思い出した。

自虐史観だという批判になんとなくしか答えられない自分がいたので、
実際はどうだったかをもっと知りたくなった。

知ってみたら、どうだろう。

日本が一方的に悪かった、とは言わない。

むしろどちらが悪いかということより、いかに悲惨な戦いをしたか、言葉にならない気持が毎度のこと襲って来るのだった。

3年8か月の太平洋戦争のうち、首尾よく勝っていたのは最初の6カ月。
7か月目にミッドウェーで大敗して、その2か月後にガダルカナルを占領され、取り返すのに失敗。

陸軍は連合国から見ればブリキのおもちゃみたいな戦車を使い、
40年前の日露戦争からさして変わらない銃剣突撃を続け、
兵を送り出すたびにほとんどみなごろしにされ、または飢えと病でゾンビのようにさせたあげく、
どの指導者も「退却」を言い出せず、多くの戦場で膨大な数の無意味な血が流れた。

開戦から1年半もしたら、太平洋戦域ではまともに勝てることはほとんどなくなっていた。
押しまくられるばかり。
そして終戦を決断したのはその2年以上後のこと。

「国体護持」つまり天皇制維持のために、講和条件を良くするために、一撃を与えてから戦争を止めると指導者は言う。

しかしほとんど戦う力もなく、日に日に力が弱っていく日本と、日に日に増強されるアメリカ。
どうやったら「一撃」を与えられるのか。
絶望の中で、甘美な妄想にすがっていただけではないか。

マリアナで航空部隊が壊滅し、サイパンが陥落した時。

フィリピンを奪還され、完全に南方資源の輸送ルートが断たれた時。

なぜ戦争を止められなかった。

フィリピンでは、既に特攻作戦が始まるくらい、どうしようもない状況だったじゃないか。

一億総特攻とは、言い換えれば指導層の無能、無責任、無自覚、そして堕落の全ての詰め合わせじゃないか。
多くの特攻隊員に言い聞かせたように、自分たちが「先駆けとなって」死ねばよかったじゃないか。
そうしたら戦争を「続けたい」人はいなくなるんだ。

戦艦大和の乗組員が、沖縄への特攻作戦の折に言った言葉は、 今を生きる私たちに多くのことを語りかけている。

進歩の無い者は決して勝たない。
負けて目覚める事が最上の道だ。
日本は進歩ということを軽んじすぎた。
私的な潔癖や徳義にこだわって、真の進歩を忘れていた。
敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか。
今目覚めずしていつ救われるか。
俺たちはその先導になるのだ。
日本の新生に先駆けて散る。まさに本望じゃないか。


戦争は、国や民族の本質を浮き上がらせている。
だからこそ、戦争と、戦争を起こした社会からもっと学ばないといけないと思う。

戦争とは何だろう。
国家とはなんだろう。
日本とはなんだろう。
私とはなんだろう。
太平洋戦争は、そのことをずっと考えさせる。

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